BOOK · VOL.8
出版間に合う!? Vol.8|短くできない作家
出版間に合う!?を見る削れば読みやすくなる。でも、削るほどその人らしさが消えてしまう。出版社の編集者・相沢恒一が担当する新刊は、失われていく商店街と、そこにいた人たちの声を記録したノンフィクション。原稿は長い。密度も高い。書籍として届けるためには整理が必要に見える。けれど著者・久住誠にとって、省くことはただの編集作業ではなかった。それは、もう消えかけている時間や声を、もう一度こぼしてしまうことにも思えたからだ。 読みやすくすること。その人の声を残すこと。その両方を守ろうとしたとき、編集はどこまで手を入れるべきなのか。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.8
- ASIN
- B0H2G55K8T
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『出版間に合う!? Vol.8|短くできない作家』より
原稿は、長いだけではだめだ。 けれど、短ければいいわけでもない。 相沢恒一は、机の上に置かれた分厚い原稿束を見ながら、その当たり前のことをあらためて考えていた。 編集という仕事をしていると、「読みやすくする」はたいてい正義の側に置かれる。文章は通りがいいほうがいい。重複は整理したほうがいい。寄り道は少ないほうがいい。もちろんそれは、たいてい正しい。
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