BOOK · VOL.5
明日を売る店 Vol.5|時間を少々
明日を売る店を見る細い路地の先にある《明日を売る店》で、時間そのものが商品になる。一日を二倍にする砂時計、五分前へ戻る腕輪、最後の日を延期するカレンダー。時間を惜しむあまり、今ここにある時間を見失う人々を描くショートショート5編です。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.5
- テーマ
- 不思議な世界に入りたい
- ASIN
- B0H2394NSJ
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『明日を売る店 Vol.5|時間を少々』より
高木浩平には、いつも時間がなかった。朝六時半に起きる。七時半に家を出る。会社へ着くのは八時半。仕事が終わるのは、早くて夜八時。帰宅。夕食。風呂。メールを少し確認する。気づけば十一時を過ぎている。 妻の恵美と話す時間もない。小学四年生の娘、美咲が起きている時間に帰れる日は、週に一度あるかないかだった。 「パパ、今度の日曜日空いてる?」 ある朝、美咲が聞いた。浩平はスマートフォンの予定を見る。 「日曜日?」 「動物園行きたい」 「今週はちょっと仕事かな」 「先週もそう言った」 「来週なら」
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