BOOK · VOL.13
泣きたい時に読む本 第十三巻 眠れない夜の本棚
泣きたい時に読む本を見る午後十一時から午前三時までだけ開く古本屋「夜舟堂」。父が途中まで読んだ本、十二年前に別れた夫婦が同じ場所へ引いた線、十八歳の自分が残した書き込み、二十二年前の生徒の教科書。そして店主が二十五年間開けられない、亡き妻の一冊。本に残された人生をめぐる五つの夜の物語です。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.13
- テーマ
- 泣ける物語を読みたい夜に
- ASIN
- B0HJSYM13H
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『泣きたい時に読む本 第十三巻 眠れない夜の本棚』より
町の外れに、夜だけ開く古本屋があった。店の名前は「夜舟堂」。営業時間は午後十一時から午前三時まで。昼間はシャッターが下りていて、看板にも営業時間以外の説明はない。店主の藤堂朔は六十二歳。 「どうして夜だけなんですか」 初めて来た客によく聞かれる。朔はいつも、「眠れない人が本を探す時間だからです」と答えた。本当にそれだけかと聞かれると、少し笑う。 「昼に来られる人には、昼に開いてる本屋がありますから」 夜舟堂へ来る客の多くは、本を買うことだけが目的ではなかった。眠れない。帰りたくない。
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