VOL.16
泣きたい時に読む本 第十六巻 雪の日の足跡
雪深い白峰町の小さな宿「雪代荘」。母が迎えに来なかった九歳の冬、家出先で見つけてもらった十八歳、父の車を追いかけた雪道、同じ速度で歩けなくなった夫婦。そして宿を営む泰一には、三年間、一人分になっていた足跡がある。誰かを待ち、追いかけ、もう一度隣に並ぶ人々を描く五つの短編連作。足跡は消えても、一緒に歩いた時間は残っている。
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『泣きたい時に読む本』は、家族や友人、大切な人との別れ、伝えられなかった思いを描く短編集です。悲しみを急いで乗り越えるのではなく、失ったものを大切に抱えたまま生きる人に寄り添います。
涙を誘うことだけを目的にせず、読み終えたあとに、明日を迎えるための小さな温度が残る物語を集めています。各巻は独立しているので、今の心に近い題名から選べます。
BOOKS
VOL.16
雪深い白峰町の小さな宿「雪代荘」。母が迎えに来なかった九歳の冬、家出先で見つけてもらった十八歳、父の車を追いかけた雪道、同じ速度で歩けなくなった夫婦。そして宿を営む泰一には、三年間、一人分になっていた足跡がある。誰かを待ち、追いかけ、もう一度隣に並ぶ人々を描く五つの短編連作。足跡は消えても、一緒に歩いた時間は残っている。
Amazonで読むVOL.15
一年に一度、懐かしい人が帰ってくる白瀬町の夏祭り。十六年前に別れた親友、家を出ていく娘と父、十八年間言えなかった兄弟の「ありがとう」、二十二年ぶりに一緒に見る花火。そして、亡き妻を思いながら最後の提灯を消せずにいる祭りの実行委員長。花火が消え、屋台がなくなったあとに残る五つの想いを描く短編連作です。
Amazonで読むVOL.14
青葉総合病院の三階にある白い待合室。母の手術を待つ娘、事故に遭った弟を待つ兄、出産する娘と孫の無事を願う父、「大丈夫」と言い続けてきた女性、そして二十一年間この場所を見守ってきた職員。何もできない時間の中で、ただ隣に座り、ともに怖がり、帰ってくることを願う人々を描く五つの短編連作です。
Amazonで読むVOL.13
午後十一時から午前三時までだけ開く古本屋「夜舟堂」。父が途中まで読んだ本、十二年前に別れた夫婦が同じ場所へ引いた線、十八歳の自分が残した書き込み、二十二年前の生徒の教科書。そして店主が二十五年間開けられない、亡き妻の一冊。本に残された人生をめぐる五つの夜の物語です。
Amazonで読むVOL.12
春の終わりに廃線を迎える小さなローカル線「青野線」。十六年前に使わなかった切符、父と最後まで乗れなかった列車、使われなかった帰りの切符、八歳の自分が握っていた子ども料金の切符。亡き妻と使うはずだった一枚を持つ駅員とともに、行けなかった場所へもう一度向かう五つの物語です。
Amazonで読むVOL.11
取り壊しが決まった古いアパート「ひかり荘」。住人が一人ずつ去るたび、窓の灯りも消えていく。夜中に帰る人、夜泣きする母親、家を出た娘、そして亡き妻の言葉を守り管理室の灯りを六年間消せずにいた大家。誰かのために残された小さな光をめぐる、五つの短編連作です。
Amazonで読むVOL.10
空き家整理会社『暮らしのあと』に持ち込まれるのは、家を空にしてほしいという依頼。母の椅子、父の工具箱、壁に残る身長の線。何百軒もの家を片づけてきた男にも、二十四年間帰れなかった実家があった。物を手放しながら、家族の時間を受け取り直す五つの物語です。
Amazonで読むVOL.9
海の見える町・潮待。そこには、長い時間を越えて残り続ける約束がある。「次の夏には帰る」と言った兄。十年後の再会を約束した幼なじみ。「夕飯までには帰る」と海へ出た父。五十三年間、同じ海を訪れてきた夫婦。そして、妹のために四十年間、一室を空け続けた宿の主人。 守れなかった約束と、待ち続けた人の涙を描く五つの物語。
Amazonで読むVOL.8
古道具屋「余白」には、時々、売ることのできないものが持ち込まれる。古い日記だ。亡き父の日記。夫が隠していた育児日記。十七歳の自分から届く言葉。名前のない女性の日記。そして、店主が四十年間開けなかった姉の一冊。 誰にも見せなかった言葉が、知らなかった想いと、泣けなかった涙を連れてくる五つの物語。
Amazonで読むVOL.7
町外れの音響修理店「ひびき」。そこへ持ち込まれるのは、壊れた機械だけではない。亡き母の留守番電話。父の子守歌。別れた恋人のメッセージ。声を失った教師の最後の授業。そして、店主が二十年間再生できなかった息子の声。 もう聞けないと思っていた声が、忘れていた記憶と涙を連れて帰ってくる五つの物語。
Amazonで読むVOL.6
雨の日の野々宮駅。古い待合室には、誰かを待ち続けてきた人たちが訪れる。迎えに来なかった父。約束に遅れた恋人。帰ってこない娘。最終電車に乗れなかった息子。三十二年間、妹を待ち続けた駅員。雨音の中、止まっていた時間がゆっくり動き始める五つの物語。
Amazonで読むVOL.5
閉店まで、あと五日。古い商店街の片隅にある花屋「こもれび」には、渡せなかった言葉を抱えた人たちが訪れる。母に渡せなかった赤いカーネーション。恩師へ返す黄色いガーベラ。病室へ持っていけなかった向日葵。五年間の沈黙を越えて届く白い花束。そして、花屋の店主が亡き夫から受け取る青い花。 ありがとう。ごめんね。おめでとう。会いたかった。 言えなかった言葉が、一本の花から静かに届いていく五つの物語。
Amazonで読むVOL.4
青葉駅の片隅にある、忘れもの預かり所。そこには、誰かの暮らしから少しだけはぐれたものたちが集まってくる。赤い傘。片方だけの手袋。名前のないぬいぐるみ。駅弁の包み紙。小さな木箱。それは、ただの忘れものではなかった。 迎えに行けなかった妹。気づけなかった母の寂しさ。話せなくなっていた子どもの名前。夫との最後の旅。そして、二十年間返せなかった指輪。 忘れたふりをしていた記憶が、駅の片隅で静かに待っている。 これは、泣けなかった人が、置き去りにしていた想いを受け取り直す五つの物語です。
Amazonで読むVOL.3
夜明け前だけ開く小さな食堂「あさひ」。看板には、こう書かれている。「もう一度食べたいもの、作ります」そこを訪れるのは、泣けないまま大切な味を避けてきた人たちだった。母の味噌汁。父の焼きそば。妻のカレー。祖母のおにぎり。そして、店主が作れなかった亡き夫のナポリタン。 もう戻れない食卓。言えなかった「おいしい」。遅すぎた「ありがとう」。 これは、忘れられない味を通して、泣けなかった人がようやく泣けるようになる五つの物語です。
Amazonで読むVOL.1
古い商店街の端にある写真館「灯里」。そこを訪れるのは、なぜか皆、泣けない人たちだった。母に言えなかったありがとう。父から聞けなかった一言。終わった恋の中に残っていた優しさ。小さな靴にしまわれた夫婦の涙。そして、店主が十五年間現像できなかった妻の最後の写真。 写真に残っていたのは、過去ではなく、言えなかった想いだった。 これは、泣けなかった人が、ようやく泣けるようになるための五つの物語です。
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