BOOK
百年を歩く少年
灯雨文庫作品を見る十七歳の冬、少年ノアは雪崩に巻き込まれた。胸を貫かれたはずの傷は消え、手首には青い花の痣が残った。古い記録に記されていたのは、不思議な言葉だった。「傷は閉じ、齢は進まず、長き道の果てまで歩む」自分に起きた異変の理由を知るため、ノアは故郷を旅立つ。 声を使わずに暮らす湖の民。 夜ごと砂漠を移動する町。 時間の流れが異なる眠りの谷。 存在を消された海。 そして、四百年間冬を閉じ込めてきた白い塔。 さまざまな土地を巡る間にも、ノアの姿は十七歳のままだった。 旅の相棒セイルは青年になり、父は老い、故郷で待っていた幼なじみのエダも、自分の人生を歩いていく。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- 一冊完結
- テーマ
- 一冊で完結する物語
- ASIN
- B0HDSCXJDC
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『百年を歩く少年』より
ノアが自分の身体に起きた異変を知ったのは、十七歳の冬だった。 その年、谷の村には例年より早く雪が降った。 山々を覆う針葉樹は白く沈み、村を南北に貫く一本の道も、朝になるたび新しい雪に消された。家々の屋根から細い煙が立ちのぼり、凍った川のそばでは、子どもたちが削った木板を橇にして遊んでいた。 ノアは夜明け前に起き、父とともに森へ入った。
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