BOOK · VOL.3
帰り道で会いましょう vol.3
帰り道で会いましょうを見る二年前に突然亡くなった恋人・湊。その命日に、雨の止んだ駅前で美咲は“あり得ない再会”を果たす。最後に交わした言葉は喧嘩のまま、伝えられなかった想いは胸に残ったまま。「本当は『行かないで』と言いたかった」美咲がようやく告げた本音に、湊もまた、生前には言えなかった未来の言葉を返す。渡せなかった指輪、閉じたままのプロポーズ、伝えそびれた「ありがとう」。すれ違いのまま途切れた恋が、ようやく本当の別れへ向かい、そして美咲の明日へと繋がっていく——。亡き人が一時的に帰ってくるシリーズ第3巻。涙が静かに温度を持つ、深い再会の物語。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.3
- テーマ
- 泣ける物語を読みたい夜に
- ASIN
- B0GRWTWWQ9
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『帰り道で会いましょう vol.3』より
雨が止んだばかりの駅前は、街灯が濡れたタイルに反射して、世界全体がぼんやり滲んで見えた。人はまばらで、傘を閉じる音だけが静かに響いている。私は会社帰りの鞄を握りしめたまま、理由もなく広場の真ん中で足を止めた。帰ればいいのに、家に向かう気力が今夜はどうしても湧かなかった。 胸の奥に沈んだ重さの正体は分かっている。 ——湊《みなと》の命日だからだ。 恋人だった湊が事故で突然いなくなって、今日で二年が経つ。
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