BOOK · VOL.11
詩人相談室|Vol.11
詩人相談室を見る恋に悩む人々が訪れる喫茶店「灯り亭」。Vol.11 のテーマは“心の距離の保ち方”。過去の恋に心を引きずる人、曖昧な関係に疲れ切った人、誰かを好きになれない自分を責める人、“重い”と言われた傷が癒えない人——彼らの胸の奥にある痛みに、詩森はるは静かに寄り添います。距離が近すぎても苦しく、遠すぎても不安になる。そんな“恋の揺れ”の中で、自分の心を守りながら、大切な人と関わる方法を見つけていく物語。読むほどに胸がゆるみ、自分を責めないための小さな灯りがともる一冊です。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.11
- テーマ
- 短い時間で読める短編
- ASIN
- B0H1P99342
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『詩人相談室|Vol.11』より
雨上がりの匂いがまだ残る夕暮れ、灯り亭の扉が静かに開いた。 ベルが細く鳴り、温かな光に照らされたカウンターの奥で、詩森はるがそっと顔を上げる。 席へ歩いてきた女性は、髪も整っていて、姿勢も崩れていない。 けれどコートの襟をつまむ指先だけが、小さく震えていた。
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