BOOK · VOL.12
詩人相談室 Vol.12
詩人相談室を見る灯り亭に訪れる人々の「心の揺れ」を静かに受け止める詩森はる。Vol.12では、友達との距離感に悩む人、誘われたくない日の罪悪感に苦しむ人、予定の変更で心が乱れる人、返信する気力を失った人など、日常に潜む“疲れ”と“迷い”を抱えた相談者が登場する。詩森はるの言葉は、否定も押しつけもなく、ただその人のペースに寄り添いながら、小さな灯りをともすように心を軽くしていく。最後に描かれる「今日を軽くする言葉」は、読む人自身の肩の力をふっと抜き、静かな安心へ導いてくれる一冊。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.12
- テーマ
- 短い時間で読める短編
- ASIN
- B0H2RBL5H4
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『詩人相談室 Vol.12』より
夕方の灯り亭は、外のざわめきと中の静けさのあいだにある場所のようだった。扉が開き、ベルが柔らかく鳴る。入ってきた女性は、肩にかかったストールを整えながら、店内の空気を一度確かめるようにゆっくり歩いてきた。席に腰を下ろすと、少しだけ安堵した表情を浮かべた。 「友達との距離が、よく分からなくなるんです」 そう言ったあと、彼女は手元に視線を落とした。湯気の立つカップを両手で包みながら、しばらく言葉を探していた。
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