BOOK · VOL.3
俳句の先生 Vol.3|秋灯のノート
俳句の先生を見る名前のない一日にも、私が見たものはある。自分の名前で書く一行が灯りはじめる。冷蔵庫の横のカレンダーには、いつも予定がぎっしり書き込まれている。夫の出張。娘の塾。息子の部活。母の通院。パートのシフト。買い物。夕飯。提出物。高梨真帆は、家族の予定を忘れない。誰かが困らないように、先回りして動く。「大丈夫」と言いながら、毎日を回している。自分の名前で書かれた予定はほとんどなかった。そんなある秋の夕方、真帆は文房具店で一冊のノートを手に取る。深い紺色の表紙。小さな金色の月。帯には、こう書かれていた。けれど、いざ開いてみると、何を書けばいいのかわからない。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.3
- ASIN
- B0H8MDKMVQ
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物語の冒頭を、少しだけ。
『俳句の先生 Vol.3|秋灯のノート』より
高梨真帆は、予定を書くのが得意だった。 冷蔵庫の横には、家族用の大きなカレンダーが貼ってある。 上の段には夫の予定。 真ん中には高校生の娘・芽衣の予定。
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