俳句の先生 Vol.5|春泥の靴の表紙

BOOK · VOL.5

俳句の先生 Vol.5|春泥の靴

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学校へ行けなかった日にも、歩いた跡は残っている。泥のついた靴で見つけた、自分だけの十七音。制服を着ることはできる。鞄の準備もできる。熱もない。嫌いな友だちがいるわけでもない。それなのに、中学生の菜々子は、玄関から先へ出られなくなった。母には「明日は行く」と言う。担任には「少し体調が悪い」と伝える。心配してくれる友だち・美月には、短い返事しか送れない。行きたいのに、行けない。理由を説明できない自分を、菜々子は責め続けていた。ある雨上がりの午後、学校とは反対の道を歩いた菜々子は、白いスニーカーを泥で汚す。その路地で見つけたのは、古い町家だった。

出版社
灯雨文庫
形式
Kindle版
巻数
Vol.5
ASIN
B0HCKRCZMC
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READ A LITTLE

物語の冒頭を、少しだけ。

『俳句の先生 Vol.5|春泥の靴』より

菜々子は、制服を着るところまではできた。 白いシャツのいちばん上までボタンを留め、紺色のリボンを結ぶ。鏡の前で少し曲がった襟を直し、スカートの裾を手で払う。 教科書も、昨夜のうちに鞄へ入れてある。 国語。

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