絵がやさしく語る夜に|夜明けの窓辺の表紙

BOOK · VOL.11

絵がやさしく語る夜に|夜明けの窓辺

絵がやさしく語る夜にを見る

静かな青と淡い金色がにじむ《夜明けの窓辺》。決められず立ち止まる朝、遠く感じる関係、取り戻せない時間への後悔を抱えた人々が、ゆっくり昇る光の前でほんの少し前を向く。夜と朝の間を描く、やわらかな再出発の短編集です。

出版社
灯雨文庫
形式
Kindle版
巻数
Vol.11
ASIN
B0H1FBV8RQ
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READ A LITTLE

物語の冒頭を、少しだけ。

『絵がやさしく語る夜に|夜明けの窓辺』より

展示室の静けさの中、水彩で描かれた一枚の絵がやわらかく光をにじませていた。薄青の空。夜明け前の淡い光。窓辺に差しこむ、まだ頼りない朝の色。窓の外には、眠る街の影。部屋の中には、静けさと少しのあたたかさ。 その前に、三十代半ばの男性が立っていた。深く眠れなかったような顔をしている。 「……朝が来るのが、怖い日があります」 彼は窓辺の光を見つめたまま言った。 「どんな朝でしょう」 「何かを決めなければいけない朝です」 男性は少し笑った。しかし、その笑みは疲れていた。

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