BOOK · VOL.5
絵がやさしく語る夜に|眠れない鳥
絵がやさしく語る夜にを見る暗い油彩の中で羽を閉じられず、夜にそっと佇む小さな鳥。後悔、孤独、追いつけなかった気持ち、言えないまま沈んだ言葉。《眠れない鳥》が、朝の手前で立ち止まる心を静かに照らす、眠れない夜と救いの連作短編集です。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.5
- テーマ
- 美術と絵画をめぐる物語
- ASIN
- B0GRRPYCF4
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物語の冒頭を、少しだけ。
『絵がやさしく語る夜に|眠れない鳥』より
閉館後の美術館は、昼間とはまったく違う気配を帯びる。照明が落ち、展示室の空気がゆっくりと沈んでいくと、作品たちは静かに夜の表情を取り戻していく。その中で、いちばん最初に“夜の気配”をまとうのが、この巻のテーマである『眠れない鳥』だった。 小さな鳥が、薄暗い背景の中で羽を震わせている油彩画。鳥の目は描かれず、ただ輪郭が夜の中で揺れている。──眠りに落ちることを迷っている鳥。そんな印象を与える作品だった。点検を終えようとしたそのとき、展示室に小さな足音が響いた。
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