BOOK · VOL.13
東京都|谷中・浅草(下町)
たびとぬくもりのものがたりを見る東京の下町、谷中と浅草。人情の町をゆっくり歩くと、ふとした言葉に心がほどけていく。夜風になびく提灯の下で差し出された一杯の甘味——どれも旅人の心に静かに灯る“ぬくもり”の記憶。急がなくていい町では、人の優しさがいつも少しだけ近い。下町で出会った声が、旅の疲れをそっと抱きしめてくれる。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.13
- テーマ
- 旅の気分を味わう物語
- ASIN
- B0H16NMCDM
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『東京都|谷中・浅草(下町)』より
谷中銀座の入口に立ったとき、私は思わず深呼吸した。 夕暮れの色がゆっくり街を染めていき、軒先から下がる提灯が柔らかく光り始めていた。観光地としての賑わいはたしかにあるけれど、その奥にひっそりと宿る下町ならではのぬくもりが、胸の奥をそっと撫でてくる。 石畳に足を下ろすと、どこか懐かしい匂いがした。 醤油を焦がしたような香り。
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