金沢の表紙

BOOK · VOL.17

金沢

たびとぬくもりのものがたりを見る

雨が似合う町・金沢。本巻は、しとしとと降り続く雨の中で出会うやさしい声と、小さな風景たちの物語。ひがし茶屋街の静けさ、兼六園の薄い雨に染まる緑、和菓子の甘い時間、雨宿りを誘う古い家々。そして、人の温度に触れた瞬間に生まれる“心の灯り”を、五つの短い旅の物語として綴ります。 旅の途中で差し伸べられる手、ふと交わされるひと言、濡れた石畳に落ちる光――。それらは決して派手ではないけれど、旅人の胸にそっと残る温度です。 「急がなくていい。雨の日は雨の日の歩き方がある」そんな金沢のリズムの中で、読者の心もふわりと緩んでいく一冊。

出版社
灯雨文庫
形式
Kindle版
巻数
Vol.17
ASIN
B0H31J26XZ
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READ A LITTLE

物語の冒頭を、少しだけ。

『金沢』より

金沢駅に着くと、ガラス張りの大屋根を優しく叩く雨の音がした。 季節の変わり目だからだろうか、いつもより少し湿った空気が肌に触れ、町の匂いをゆっくり深呼吸したくなる。 鼓門の前に立つと、木の質感と濡れた路面に映る光が、まるで旅の入り口をやさしく照らしてくれているように見えた。 雨に濡れた町は静かで、どこか柔らかい。

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