BOOK · VOL.9
日光
たびとぬくもりのものがたりを見る歴史の重みと静かな空気が溶け合う町、日光。豪華な社殿、朱色の神橋、深い杉並木。華やかさの奥にあるのは、急がせない時間と、整えてくれる静けさでした。東照宮で出会った職人の言葉、ゆばの湯気のあたたかさ、神橋に落ちる夕方の光、杉並木の朝の澄んだ空気。 旅は何かを足すものではなく、少し引いて、整えていく時間なのかもしれません。 静かに呼吸を整えたくなる、やわらかな日光の物語。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.9
- テーマ
- 旅の気分を味わう物語
- ASIN
- B0DK5G9YDQ
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『日光』より
日光駅を出ると、空気の匂いがすでに違っていた。 東京より少しひんやりしていて、土と木の香りが混ざっている。 遠くの山は淡くかすみ、その輪郭がゆるやかに空へ溶けていた。 私はゆっくり歩き始める。
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