BOOK · VOL.3
5分探偵 Vol.3|アパート共有冷蔵庫のプリン事件
5分探偵を見る古いアパートの共有冷蔵庫から、住人のプリンが何度もなくなってしまう。しかも不思議なことに、消えるのはいつも三個入りのうち一個だけ。ただの食べ違いなのか、いたずらなのか、それとも別の事情があるのか――。相談を受けたのは、古い雑居ビルの二階にある5分探偵事務所。少し天然でつかみどころのない探偵・五十嵐いつきと、しっかり者の助手・真壁すみれが、共有冷蔵庫の前に残された小さな違和感を追いかける。 名前のあるものが勝手に取られること。“これくらいなら”と軽く扱われること。プリン一個の向こうに見えてきたのは、古いアパートに積み重なっていた、小さな遠慮と見過ごしだった。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.3
- ASIN
- B0GX2Z83MM
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『5分探偵 Vol.3|アパート共有冷蔵庫のプリン事件』より
駅前つばき商店街から少し離れた古いアパート「ひかり荘」は、二階建ての木造で、外階段の手すりは少しさびていた。築年数はかなり経っているはずだが、玄関脇には鉢植えが並び、共用廊下にはよく掃き清められた跡がある。古いなりに、きちんと暮らされている建物だった。 その一階の端の部屋に住む大学生の中原玲奈が、五分探偵事務所を訪ねてきたのは、蒸し暑い午後のことだった。 「プリンが、なくなるんです」
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