BOOK · VOL.14
旅する鑑定士の事件帖 Vol.14|消える七分間
旅する鑑定士の事件帖を見る一日に一度だけ、七分間だけ遅れる懐中時計。裏蓋には「七分だけ、待ってください。」という文字が刻まれていた。旅する鑑定士・草壁悠介が調べると、昭和三十三年、一人の少女を待つため七分遅れて出発した路線バスへとつながっていく。時計に残された六十八年前の旅立ちをたどる鑑定ミステリーです。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.14
- ASIN
- B0HHGXDVFM
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READ A LITTLE
物語の冒頭を、少しだけ。
『旅する鑑定士の事件帖 Vol.14|消える七分間』より
その懐中時計は、壊れていなかった。朝、時刻を合わせれば正確に進む。秒針も滑らかで、ぜんまいの巻き上げにも異常はない。ところが一日のどこかで、必ず七分だけ遅れる。午前九時に遅れる日もあれば、午後四時すぎの日もある。夜中に起きることさえあった。 そして七分経つと、何事もなかったようにまた正確な速さで動き始める。草壁悠介がその話を聞いたのは、海坂町を離れて二日後だった。
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