BOOK · VOL.7
旅する鑑定士の事件帖 Vol.7|線路沿いの弁当箱
旅する鑑定士の事件帖を見る廃線になった小さな駅に残されていた弁当箱には、使われなかった切符と、見送れなかった朝の記憶が入っていた。古道具鑑定士・草壁悠介のもとに届いた依頼は、旧真砂駅の事務室から見つかった古いアルミの弁当箱を調べること。 蓋には、駅員・田上幸雄の名前。蓋の裏には、細く刻まれた「いってらっしゃい」の文字。そして中に入っていたのは、弁当ではなく、古い時刻表と一枚の硬券切符だった。 切符は、真砂から潮見港ゆき。日付は、昭和五十二年十月十七日。しかし、その切符には改札鋏の跡がない。 誰かは、その列車に乗るはずだった。けれど、乗らなかった。
- 出版社
- 灯雨文庫
- 形式
- Kindle版
- 巻数
- Vol.7
- ASIN
- B0H7TF8XVD
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物語の冒頭を、少しだけ。
『旅する鑑定士の事件帖 Vol.7|線路沿いの弁当箱』より
廃線になった駅には、独特の静けさがある。 人がいないだけではない。 列車が来ないだけでもない。 かつて毎日そこにあった音が、まとめて抜け落ちてしまったような静けさだった。
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